はじめに|“懐かしいのに新しい”昭和レトロブーム
近年、若い世代のあいだで「昭和レトロ」という言葉が再び注目を集めています。
純喫茶やナポリタン、レトロポスター、そして音楽まで——。
昭和の時代を知らない世代が、あえて「昭和っぽさ」に惹かれているのです。
特に音楽の世界では、YouTubeやSNSを通してシティポップや歌謡曲が再ブームに。
「真夜中のドア〜Stay With Me」や「プラスティック・ラブ」が海外で人気を呼び、Spotifyのプレイリストにも“昭和レトロ”の名が並ぶほどです。
この記事では、そんな“昭和レトロな雰囲気の曲”の魅力と、今聴いても心に響くおすすめ楽曲を紹介します。
昭和レトロな雰囲気とは?懐かしさを感じる音の特徴
昭和レトロな音楽の魅力は、単なる「古い」ではなく、「温かみ」と「心地よい哀愁」にあります。
たとえば、テープ録音のようなローファイな音質、エレピ(エレクトリックピアノ)の柔らかい響き、軽やかなベースラインなど。
歌詞にも特徴があります。
「黄昏」「恋」「街角」「涙」「夕暮れ」といった、情景や感情を丁寧に描く言葉たち。
現代のようにストレートな表現ではなく、少し遠回しで詩的。
その“余白”が聴く人の想像力をくすぐるのです。
さらに、メロディーはシンプルながらも印象的。
一度聴いたら口ずさみたくなるようなフレーズが多く、時代を超えて愛され続ける理由がそこにあります。
昭和の名曲から始まったレトロの原点
昭和レトロを語る上で欠かせないのが、1980年代前後に登場したシティポップの存在です。
都会のきらめきや恋の切なさを軽やかに歌い上げた音楽は、まさに“レトロの原点”。
松原みき「真夜中のドア〜Stay With Me」
言わずと知れたシティポップの代表曲。
夜更けに聴きたくなるようなスモーキーな歌声と、切ないメロディが今なお多くのファンを惹きつけています。
大瀧詠一「君は天然色」
カラフルで明るいサウンドが特徴。
まるで昭和の夏をそのまま閉じ込めたような爽やかさで、ラジオから流れると自然と笑顔になる名曲です。
山下達郎「RIDE ON TIME」
80年代の風を象徴するドライブソング。
洗練されたサウンドと心地よいリズムが、今聴いても新鮮。
彼の音楽は多くの現代アーティストにも影響を与えています。
松田聖子「赤いスイートピー」
昭和アイドルポップの象徴的存在。
繊細で甘酸っぱい歌詞とメロディは、世代を超えて心を掴みます。
この時代の音楽には、「少しの切なさ」と「生活の香り」があり、それが“昭和レトロ”の魅力を形づくっています。
現代アーティストが奏でる“昭和レトロ風サウンド”
面白いのは、昭和レトロが「過去の遺産」ではなく、現代のアーティストが新たに再解釈している点です。
たとえば——
あいみょん
「マリーゴールド」に代表されるように、メロディラインや歌詞の柔らかさが昭和の歌謡曲を思わせます。
懐かしさの中に現代的な軽快さがあり、幅広い世代から愛されています。
Lamp
まるで昭和の喫茶店で流れているような、淡いメロディとアナログ感。
ジャズやボサノバの要素を取り入れ、シティポップの進化形を提示しています。
asmi・にしな
女性ボーカル特有の透明感と、どこかノスタルジックな世界観が共通。
サウンドは現代的でも、歌詞の中に「孤独」「恋」「夜」といった昭和的な情感が漂います。
こうしたアーティストたちが示すのは、「昭和レトロ」は単なる懐古ではなく、**今の感性で楽しめる“温度のある音楽”**だということです。
おすすめプレイリスト|昭和レトロを感じる10曲
実際に“昭和レトロな雰囲気”を感じたい人におすすめの曲を、時代を超えてピックアップしました。
| 曲名 | アーティスト | 雰囲気・キーワード |
|---|---|---|
| 真夜中のドア〜Stay With Me | 松原みき | 切ない夜の都会感 |
| 君は天然色 | 大瀧詠一 | カラフルで明るい80年代の夏 |
| RIDE ON TIME | 山下達郎 | 爽快でポジティブなドライブ感 |
| 赤いスイートピー | 松田聖子 | 昭和アイドルの象徴 |
| 恋人がサンタクロース | 荒井由実 | ノスタルジックな季節感 |
| 夜を使いはたして | サカナクション | モダン×レトロの融合 |
| マリーゴールド | あいみょん | 現代的な昭和ポップ |
| 花束 | back number | 現代バラードに宿る昭和の情緒 |
| ブルーベリー・ナイツ | マカロニえんぴつ | 甘酸っぱくもどこか懐かしい恋の曲 |
| ルージュの伝言 | 荒井由実 | ジブリの世界とつながる昭和ポップの名曲 |
どの曲も、耳にした瞬間に「どこか懐かしい」「心が落ち着く」と感じるはずです。
昭和レトロ音楽の楽しみ方
昭和レトロな曲を聴くなら、**“空間ごと楽しむ”**のがおすすめです。
- 純喫茶や古民家カフェで聴く
コーヒーの香りとアナログサウンドの相性は抜群。 - 夜の散歩やドライブで流す
街灯の明かりや車窓の風景が、まるで映画のように感じられます。 - レコードやカセットで再生
デジタルにはない温かい音質が、“昭和っぽさ”をさらに引き立ててくれます。
SpotifyやYouTubeでも「昭和レトロ」「City Pop」などのプレイリストが多数あり、手軽に楽しめるのも魅力です。
まとめ|懐かしさが今も響く“昭和レトロ音楽”
昭和レトロな曲は、ただ昔を懐かしむための音楽ではありません。
どんな時代にも「癒し」や「温かさ」を求める気持ちは共通であり、昭和のメロディや言葉が、令和の今も心に響くのはその証拠です。
忙しい毎日の中で、少しだけ立ち止まって“懐かしい音”に耳を傾けてみませんか?
きっと、あなたの心に寄り添う一曲が見つかるはずです。
