第4話:「恋愛ドラマの脚本家」

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目次

プロローグ|見えない脚本

恋愛は偶然だと思っていた。

出会いも、
言葉も、
別れも。

すべて。

そのときまでは。

机の上にはノートがある。

そのノートには、
見覚えのある文章が並んでいた。

雨の日
カフェ
偶然の出会い

私はページをめくる。

次の行。

「彼女は笑う」

その瞬間。

スマホが鳴る。

メッセージ。

「今日は楽しかったね」

私は凍りついた。

その文章は、
ノートに書いてあった通りだった。

その日、私は知った。

恋愛は、
書かれている。

第1章|脚本の断片

私はそのノートを見つけた。

古い喫茶店。

雨の日。

窓際の席。

それは、
私と彼が出会った場所だった。

席の下に落ちていた。

黒いノート。

表紙には何も書かれていない。

ただ中には

恋愛ドラマ #31

そう書かれていた。

ページをめくる。

そこには

恋の進行表が書かれていた。

出会い
会話
距離
好意

そして

キス

私はノートを閉じた。

笑ってしまった。

誰かの冗談だと思った。

しかし。

その夜。

彼から連絡が来た。

「また会いたい」

ノートの次の行。

再会

私はノートを落とした。

第2章|予定された恋

それから数日。

私はノートを開き続けた。

怖かった。

でも。

確認せずにはいられなかった。

ページには

未来が書かれていた。

「彼は花を持ってくる」

次のデート。

彼は花を持ってきた。

「彼はあなたの好きな映画を言う」

彼は言った。

「この映画好きでしょ?」

私は言葉を失った。

それは私が誰にも言っていない映画だった。

ノートは続く。

「彼はあなたを理解する」

その通りだった。

彼は

私の気持ちを
先に言葉にする。

「今日は疲れてるよね」

私は怖くなった。

第3章|観測ログ

ノートの最後のページ。

そこには

奇妙な表があった。

恋愛ドラマ #28
恋愛ドラマ #29
恋愛ドラマ #30

そして

恋愛ドラマ #31

その下。

ログ。

出会い成功
関係進行
感情反応良好

私は息を止めた。

これは

恋愛ではない。

実験だ。

私はノートを閉じた。

そのとき。

背後から声がする。

「見つけましたか」

振り向く。

そこに立っていたのは

見知らぬ男。

黒いコート。

静かな目。

「それは脚本です」

私は聞く。

「誰の?」

男は笑った。

「あなたの恋です」

第4章:脚本家

男は自分をこう名乗った。

「脚本家」

私は笑った。

冗談だと思った。

しかし男は言う。

「恋愛は再現できます」

条件。

出会い。

会話。

タイミング。

心理。

すべて計算できる。

「恋は偶然ではありません」

男は言う。

「脚本です」

私は聞く。

「彼も?」

男は答える。

「役者です」

私は息が止まった。

第5章:主人公

私は彼に会う。

夜のカフェ。

彼はいつも通り笑う。

優しい。

完璧。

理想。

私は聞く。

「これも脚本?」

彼は黙る。

少しだけ。

そして言う。

「君は知る予定じゃなかった」

私は震える。

「あなたは誰?」

彼は答える。

「主人公を支える役」

私は立ち上がる。

「私は何?」

彼は言う。

「主人公です」

その瞬間。

私のスマホが震える。

UNKNOWN

メッセージ。

観測完了

画面に続く。

恋愛ドラマ #31
成功

私は理解した。

私は恋をしていたんじゃない。

恋を演じていた。

エピローグ:次の脚本

数日後。

私はまたあの喫茶店にいる。

窓の外は雨。

カフェの扉が開く。

一人の男性が入ってくる。

見覚えのある光景。

雨の日
カフェ
偶然の出会い

私は笑う。

そしてノートを開く。

新しいページ。

恋愛ドラマ #32

私はペンを持つ。

書く。

「彼は席を探す」

その瞬間。

男は席を探す。

私は書く。

「彼は笑う」

男は笑う。

私は静かに言う。

「ようこそ」

ページの最後。

脚本家
変更

私は理解した。

この物語は終わらない。

恋愛ドラマは

書かれ続ける。

主人公の条件
恋愛ドラマの主人公には、ある共通点がある。
それは
恋を信じていること。
第5話:「主人公の条件」を読む

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